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第8回定例研究会のお知らせ

■こりあんコミュニティ研究会第8回定例研究会
日 時:11月21日(土)15:00~17:00
場 所:桜ノ宮「龍王宮」(JR環状線「桜ノ宮駅」西口下車西へすぐ)
報告者:柴田剛・本岡拓哉・藤井幸之助・全ウンフィ「市街地化に伴なう在日コリアン養豚業の廃業過程と場所のポリティクス―和歌山県紀南地方を事例に―」
参加費:会員無料(会員以外500円) ★当日でも会員になれます〔年会費3000円〕。
主 催:こりあんコミュニティ研究会 http://kocoken2009.blog68.fc2.com/
    大阪市立大学都市研究プラザ気付け 
    〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138 
    Tel&Fax: 06-6605-3448
    Email: kocoken2009@gmail.com
共 催:コリアン・マイノリティ研究会
★当日13:00から「龍王宮」お掃除隊で、敷地内の掃除をします。参加希望者は藤井幸之助masipon@nifty.comまで。
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第7回定例研究会報告

 10月24日に桜ノ宮龍王宮で、第7回定例研究会が開催されました。今回は戦前大阪の在日朝鮮人の歴史研究をなされている、塚崎昌之さんに「龍王宮をめぐる歴史―大川・海女・朝鮮寺―」というタイトルで報告いただきました。当日の参加者は約20名でした。

 報告は、主に大阪毎日新聞や大阪朝日新聞など戦前の新聞記事と写真・地図、行政資料を資料として、龍王宮それ自体ではなく、龍王宮を取り囲む3つのトピック(大川周辺の朝鮮人、海女、朝鮮寺)の歴史的背景、おもに戦前の状況を明らかにするものでありました。

 まずは龍王宮付近に在日朝鮮人が多住していた背景として、1920年代以降、大川周辺の京橋及び天神橋界隈に、ガラス工場や製紙工場、染工場などに労働者として朝鮮人(多くが済州島出身者)が雇われていたこと、済美第4小学校の朝鮮人のための特別夜間学校、天六付近の「朝鮮遊郭」の存在、また大川では朝鮮人の水上生活者も多く存在し、主に砂利の荷揚げ作業に関わっていたことが主にあげられました。
 次に「朝鮮寺」については、1920年代以降に朝鮮人の日本定住化が進行し、正式に認可されない中での「朝鮮寺」の開設方法として、「非合法・あいまい」型、「日本寺院の名義借り」型、「日本の宗派への門下」型の3つがあったことが指摘され、1930年代以降、「近代化」と「皇民化」が進行する中、巫俗への圧力、朝鮮寺への弾圧があったにもかかわらず、戦後にも継続して、「朝鮮寺」が存続した(圧力をかいくぐった)ことが示されました。

 当報告は龍王宮があの場所にある理由および背景を多様な資料から明らかにするものであり、龍王宮プロジェクトにとっても重要であったと思います。

特別研究会(10月13日 於:桜ノ宮龍王宮)

 10月13日(火)に桜ノ宮龍王宮で、こりあんコミュニティ研究会特別研究会(コリアンマイノリティ研究会共催)が行われました。今回はイギリス在住のJin Nye Naさん(Lecturer at Open University)より「イギリスの移民政策:在英、韓国人コミュニティを中心として」というタイトルのご報告があり、前半ではイギリスの政策と韓国からの移民の関係について、後半ではロンドン南部・New Malden地区の韓国人コミュニティの詳細についてお話しいただきました。

 イギリスに在住する韓国人の数的規模は約4万5千人程度ということですが、このうちの大半は1980年代以降の移住者であり、街並みの中に確認できるハングルが示す韓国人コミュニティの形成もここ2、30年のうちに見られるようになったとのことでした。この背景にはイギリスやEUの移民政策の変化があり、現在ロンドンはヨーロッパで最大の韓国人人口を有する都市になっています。ただ、EU域外出身の非熟練労働者に対する就労ビザ規制の影響もあり、ロンドン在住の韓国人の大半はビジネス関係で渡英した例が多く、数年で韓国へ戻る人びとが優勢とのことです。また、いわゆる脱北者としてイギリス政府に受け入れを求め渡英した人々も少なからずおられ、イギリスにおける庇護申請者の出身国別内訳で朝鮮民主主義人民共和国は9番目の規模になるそうです。ロンドン在住韓国人の集住地区は、有名なウィンブルドン地区に近いNew Malden地区に形成されています。この地区には韓国人の経営するレストランやショップなどが数多く立地し、韓国人学生向けの補習学校も20校近く所在します。キリスト教や仏教の施設もあり、重要なコミュニティの核の1つとして機能しているそうです。韓国語メディアも多数存在し、地区に暮らす韓国人の多さも相まって、韓国語で生活のできる空間がロンドンの一角に形成している状況が、報告者自ら撮影された写真の提示とともにうかがい知ることができました。

 報告後の質疑応答では、まず在英韓国人コミュニティの年齢構成について質問がなされ、高齢層が少なく20~40歳代の世代に特化したコミュニティ内部の傾向が報告者より示されました。また、他のエスニック・グループとの関係性についての質問では、フェスティバル等を通しての交流もみられるというお話がなされました。
今回の特別研究会は、こりあんコミュニティ研究会としてヨーロッパの都市における事例を学ぶ貴重な機会となりました。

次回こりあんコミュニティ研究会は、下記の通りです。

日時:10月24日(土)15~17時
場所:桜ノ宮龍王宮
報告者:塚崎昌之
タイトル:龍王宮をめぐる歴史―大川・海女・朝鮮寺―(仮)
プロフィール

kocoken2009

Author:kocoken2009
こりあんコミュニティ研究会は、こりあんコミュニティにおける生活と文化への理解を高めつつ、当該地域コミュニティの再生のあり方について議論しながら、日本国内に限らず共同調査及び研究を行っていくグループです。
問合せ先:kocoken2009@gmail.com

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