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第11回定例研究会報告

■第10回定例研究会
日時:2010年2月27日(土) 15時~17時
場所:桜ノ宮龍王宮
参加者:6名
報告者:森類臣(もり ともおみ)氏 立命館大学コリア研究センター 専任研究員
タイトル:宋建鎬(ソン・ゴンホ)のジャーナリズム論と『ハンギョレ新聞』ー「民主言論」「民族言論」概念を中心にー

 発表内容の中心は、ハンギョレ新聞の創刊から関わってきた宋建鎬(1927~2001)のジャーナリズム論と、現代韓国社会におけるハンギョレ新聞のメディアとしての位置づけについてでした。
 ハンギョレというのは、「ひとつの民族」「同胞」という意味で、朴正熙政権・全斗煥政権時代に『朝鮮日報』『東亜日報』から解雇された記者たちが中心となって作った新聞社であり、「権力と資本からの独立」をモットーに党派的な政治・思想運動を越えた「言論民主化」運動でもあったということです。
 その「言論民主化」を成し遂げるためには、(1)1975年と1980年の2回にかけて、不当に解雇された約900人に達する記者たちを無条件に復職させなければならないこと (2)言論の自由の最も基本的な条件である企業の経済的・政治的独立 (3)言論を規制するすべての悪法、特に「言論基本法」が廃止されなければならないこと (44)編集権の独立を守ること を解決しなければならないというのが、宋の主張であったようです。
 また、「民主言論」と同時に宋のジャーナリズム論の基層には、「民族言論」というものがあり、それは、要約すれば、旧植民地宗主国に対する「抵抗としてのジャーナリズム」=抵抗する手段として、言論が虐げられている者の武器になる というものですが、抵抗する対象を失った時に、新しい段階に移行する「民族言論」は再考の必要性があると、森氏は述べていました。言及すれば、この「民族言論」の概念を十分に検討することが、これからの課題であるとのことです。
 また、ハンギョレの思想的・精神的支柱であった宋は、ジャーナリストであるとともに思想家、韓国近現代史家としても有名で、『解放前後史の認識』(ハンギル社、1980年)の巻頭論文を執筆しており、特に韓国の「三八六世代」の歴史認識形成に大きく役立ったというこで、いずれにしろ、森氏が研究対象とした宋に関しては、当日の参加者からも、「こんなに次々と大きな新聞社を渡り歩くことってできるものなのか」という、素朴な質問も出ていました。その他、韓国の「ろうそくデモ」の各メディアの扱い方の違い(日本含む)、今後の紙媒体・電子媒体のメディアの行方をめぐる日韓の比較、ウトロ地域などへの韓国メディアのステレオタイプの取材等、発表者、参加者を問わず、活発な議論が展開いたしました。
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Author:kocoken2009
こりあんコミュニティ研究会は、こりあんコミュニティにおける生活と文化への理解を高めつつ、当該地域コミュニティの再生のあり方について議論しながら、日本国内に限らず共同調査及び研究を行っていくグループです。
問合せ先:kocoken2009@gmail.com

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