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第14回定例研究会の報告

5月29日に桜ノ宮龍王宮で行われた、第14回定例研究会について報告いたし
ます。参加者は16人でありました。
当日は、関西学院大学社会学部の島村恭則さんの方から、「引揚者が生み出した
戦後日本の社会空間と文化」というタイトルで報告が行われました。『〈生きる
方法〉の民俗誌―朝鮮系住民集住地域の民俗学的研究―』(関西学院大学出版会、
2010年)にまとめられているように、島村さんはこれまで民俗学の立場から在日
コリアン集住地域の調査・研究を行ってきましたが、今回は、戦後、日本に留ま
ることになった在日コリアンの一方で、満州や樺太、朝鮮半島などから日本に
戻ってきた人々が引揚後どのような生活実践があったのかを明らかにするもので
した。引揚者については、引揚げ体験や抑留体験、旧植民地時代の生活について
の研究がある一方で、引揚後に各地で展開された生活実践(民俗)についての研
究はほとんど行われておらず、今回の報告はパイオニア的な研究として、非常に
価値があると思われます。報告では、小樽や函館から鹿児島まで、軽快なフット
ワークでこなしたフィールドワークを通して、戦後の引揚者向け住宅が集まった
「引揚者のまち」や開拓地域の現状、そして引揚者たちが独自に生み出した食文
化や起業家精神などが、多様な写真、そして語りをもって表されました。これま
で個別に語られていた引揚者の状況をつないでいくことで、引揚者が生み出した
社会空間や文化の意味を明らかにするものでした。
報告に対しては、引揚者の出身地について、引揚者の文化やコミュニティの引き
継がれ方、在日コリアン集住地域と引揚者の集住地域との関連性などの質疑があ
り、さらには公営住宅政策や社会福祉法人の成り立ちを考える上で「引揚者」に
注目する意義などが提起されました。

来月は研究大会が行われますので、定例研究会はありません。7月に行われる定
例研究会については、内容や日時が決まり次第ご連絡させていただきます。
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kocoken2009

Author:kocoken2009
こりあんコミュニティ研究会は、こりあんコミュニティにおける生活と文化への理解を高めつつ、当該地域コミュニティの再生のあり方について議論しながら、日本国内に限らず共同調査及び研究を行っていくグループです。
問合せ先:kocoken2009@gmail.com

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