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第2回研究大会の報告

 2011年7月9日、「越境する都市とコミュニティ:日韓の多文化社会の現状と都市政策の課題を考える」をテーマにこりあんコミュニティ研究会第2回研究大会が大阪市立大学高原記念館学友会ホールで開催された。今回は、韓国より国土研究院の朴世訓(パク・セフン)さんと国境なき村事務局長の金勝一(キム・スンイル)さんを招き、韓国における多文化社会の現状と課題をご報告いただいた。
 まず、午前中は朴さんより「韓国における多文化社会の展開と都市政策の課題」と題して報告をいただいた。韓国においては国内の労働力不足を背景にこの20年間で在留外国人が急速に増加した。韓国においては在留外国人のうちの約40%が韓国系中国人であり、これにベトナムやフィリピン、タイが続いているとのことだった。これにともない、様々な形態の外国人密集地域が形成されており、これらの外国人密集地域が地域経済の活性化をもたらしたり、観光などの都市の文化的資源となっている。その一方で地域社会との葛藤もあり、これらの課題への今後の対応の必要性が指摘された。
 午後からは民間の立場からまちづくり運動をおこなっている「国境なき村」事務局長の金さんから「多文化都市安山(アンサン)と国境なき村」と題して報告いただいた。安山市は韓国でもっとも外国人が数多く暮らしており、その数は安山市の住民75万人中4万人以上である。出身国は65カ国に上る。中でも元谷洞(ドン)(ウォンゴクドン)は韓国人が少数者になるという最大の外国人移住密集地域であり、「国境なき村」はこの元谷洞を中心に活動をおこなっているとのことだった。映像をつかって、実際に行われている教育サービスや福祉サービス、広報、まちづくり事業などが紹介された。また、事業の展開や活動の拠点形成にともない、地元の政府や警察との軋轢が生じていることについてもご報告いただいた。
 参加者の一部は韓国の多文化政策について知識があった方、実際に安山市の国境なき村を訪問したことのある方もいた。その一方で、はじめて韓国の多文化政策や民間の実践についての具体的な内容を知った参加者も多かったのではなかろうか。今後も韓国の研究者や実践者との交流を続けていく中で、我々の理解が深まっていくことを期待する。
後半は一般報告とのことで岩山春夫さんからは「西成・在日コリアン高齢者の現状と介護の今後」、鄭栄鎭さんからは「在日朝鮮人の権利獲得運動、その駆動力と条件」というタイトルで研究報告がなされた。在日コリアンの世代交代がすすむにあたり本当に民族的介護のニーズがあるのかという新たな問題提起や、八尾市における在日朝鮮人の権利獲得運動と部落解放運動との共闘についての検討など今後のコリアンコミュニティを考える上で有益な報告となった。
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kocoken2009

Author:kocoken2009
こりあんコミュニティ研究会は、こりあんコミュニティにおける生活と文化への理解を高めつつ、当該地域コミュニティの再生のあり方について議論しながら、日本国内に限らず共同調査及び研究を行っていくグループです。
問合せ先:kocoken2009@gmail.com

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